【レビュー】ドラゴンフライ2は一つ群を抜いたスパイク
この記事では、
ドラゴンフライ2をレビューします。
さっそく結論ですが、扱いやすい上に高サポート力を兼ねている
良スパイクです。
マイナス点は正直ないのですが、
敢えて上げるなら、
このスパイクでピンが6本だったら
より良いスパイクになるのではないかといったところでしょうか。
現状、満点に近いくらい満足なスパイクですが
ピンが減ったことによる
スパイク本体のキック力の低下もあるのかなと思います。
▼動画でもレビューしています▼
目次
前作からの変更点
前作の初代ドラゴンフライからの変更点は
・スピイクピンの変更
・プレートのPebaxの配合率の変更による反発性向上
です。
前作がほとんど完成形と言えるので
大きなアップデートはなかったものの、
より洗練されたといったアップデートだと思います。
上記でも書きましたが、
プレートの反発感は2の方が好みです。
ドラゴンフライ2の方が、
スピードも出るように思います。
ただ、
このスパイクでピンが6本あれば
もっとキック力は高くなりそうだなとも考えてしまいます。
スパイクピンは6本から4本に変更
スパイクピンは前作は6本でしたが
4本に変更になりました。
公式のアナウンスによれば、
プラットフォームの安定化により
より快適に走れるようになったと言うことです。
プレートのPEBAXの配合率の変更
ドラゴンフライ2に使用されている
プレートの素材は【PEBAX】
前作と同じ素材ですが、
配合率の変更がなされたようです。
実際に履き比べると、
プレートはより硬いものとなっています。
ただし、
他のスパイクに多く使われているプレートは【カーボン】。
カーボンの方がより硬度は高く、反発力も高い傾向にあります。
高反発を求められる中距離用スパイクである
エアズームビクトリーのプレートの素材は【カーボン】です。
このことからも、
他のカーボンスパイクほど反発力はないものの、
前作よりは反発力を向上させたアップデートと言えます。
ファーストインプレッションは並
実際にアップデート点を確認しながら着用してみます。
さっそく履いてみます。
公式の発表された変更点には
なかったのですが、
ミッドソールのクッション感が向上している気がします。
足もちは良さそうな気がします。
サイズ感は前作と同じでOK
メーカー | NIKE | NIKE | adidas | adidas | On |
種類 | ドラゴンフライ(旧) | ドラゴンフライ2 | アバンチTYO | アバンチ |
Cloudspike10000
|
反発(硬さ) | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
推進力 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
安定感 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
低価格 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
フィット感(全26.5) | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
今作は26.5cm。
前作も26.5cm。
基本はどのシューズも26.5cmを着用します。
かかとのおさまりはやや悪い気のかもしれません。
ただ走った時には気になることもないので
マラソンシューズと比較した際の
スパイク特有の感覚の範囲と言えます。
シューズごとにサイズはわざわざ変えない
僕はあまりシューズによってサイズを変えるということはしません。
メーカーが
この足のサイズの人にはこのサイズのシューズ!
と明確にしてくれているのが
記載されたサイズだと思っているので、
多少大きく感じるのであれば
大きめに履かせたいシューズなのかなと思いますし、
窮屈な設計ならそういった履き方をさせたいシューズ
であると思っています。
それによって合う合わないはあるかと思いますので、
マイサイズで合わなければ、
そのシューズは自分の足形には
合わないシューズなのだと割り切ります。
トレーニングで使用
トレーニングで使用してみます。
今回行うトレーニングは
2000mを1本5分40秒(2’50/km)
で行います。
トレーニング強度はVo2max強度なので
スパイクの理想とするペース(強度)だと思います。
出力感と実際のスピードにいい意味で合っていない。
※写真は2000mテンポ走。左はドラゴンフライ2、右は別メーカースパイク
実際に履いて2000mを行い、タイムは5分35秒。
2分50秒/kmのペースのつもりが
入りの200mは32秒。
この速度は1500mに換算すると4’00(2’40/km)
スパイクの軽さの影響か、
はたまた
接地したときの安定感の影響なのか
足がポンポンと前に出てくるのを感じます。
その後は、
ついつい上がってしまいそうになるペースを抑え
おおよそ400mあたり66〜67秒で刻み
タイムは5分35秒。
走りながらでも、
多少会話の受け答えもできそうなくらいの
余裕感も感じていたし、
このままもう1000mもいけた感覚があります。
低く見積もっても2’55で落ちても8’30(筆者のPBタイ)
高く見積もればラスト2’50で回っても8’25(PB相当)
しかもこのタイムが単独走だということも大きなポイントでした。
明らかにシューズの性能の高さを感じました。
1500m RPでも使用:評価◎
このあと少し時間を空けてスピードも出せるのか検証します。
行ったトレーニングは400m+300m+200m。
設定は
400mは62〜63秒(1500mの目標ペース)
300mは全力(よりほんのり少し下の強度)で44秒以内
200mは全力
結果は62秒5、43秒6、27秒2
スピードも問題なく出し切ることができました。
問題視された4本ピンになったことによるスピードの出力不足問題も
個人的にはそんなに感じることはなかったです。
何より軽さとプレートの程よい硬さが、
足をどんどんと出させてくれる感じがありピッチが回る感じがありました。
レースでも使用:評価◎
今回は1500mのレースで使用。
タイムは3分51秒で走れ
大幅にPBを更新しました。
(それ以前はCloudspike10000mで走った3分57秒)
本来このシューズのベストな種目は5000m以上の長距離。
それでもPBは更新できているので
中距離のスピードにも対応できます。
▼レース当日の映像はこちら▼
スピードは出しにくい?
ドラゴンフライ2はピンが
前作の6本から
4本になったということで
その分スピードが出しにくくなるのでは?
と言われておりました。
しかし上記のトレーニングの通り、
ピンの減少によるスピードの出しにくさは感じることはなく
むしろ
前作のドラゴンフライよりも、
プレートが適度に硬くなったことによる「しなり」による
反発のリターンの速さを感じることができ、
むしろ前作よりもスピードは出しやすいのではないかと感じました。
他のスパイクを比較
他メーカーのスパイクと履き心地を比較した表がこちら。
メーカー | NIKE | NIKE | adidas | adidas | On |
種類 | ドラゴンフライ(旧) | ドラゴンフライ2 | アバンチTYO | アバンチ |
Cloudspike10000
|
反発(硬さ) | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
推進力 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
安定感 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
低価格 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
プレートの硬さ
プレートの硬さは反発感に直結。
所持しているシューズで言うと
アバンチ(新作)のプレートが最も硬く感じ反発します。
推進力
ここでいう推進力はスピードに滑らかに乗ることができるかとします。
足捌きの邪魔にならず、かつサポート力を感じるものを指します。
これはOnのCloudspikeとドラゴンフライ2に軍配が上がるでしょう。
アバンチに関しては履きこなせば推進力を得れると思いますが、
まだ数回しか使っていませんが、反発と噛み合ってきていない印象です。
安定感
これは反発と相反する指標となります。
硬いソールはやや扱いづらく、
やはりソールは柔らかいほど安定感は増すと思います。
初期ドラゴンフライやアバンチTYOは安定感が高く、
マラソンシューズに近く感じます。
特にアバンチTYOは
剛性はスパイクとしては極端に低いので
スパイク初心者の方には非常におすすめできます。
まとめ
今回はドラゴンフライ2を実際に使用しレビューしました。
ポイント練習の質も高い水準で行え、
実際にレースに出場し、PBも大幅に更新したこともあり
非常に優れたシューズなのではと思います。
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