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【超重要】坂ダッシュ(ヒルトレ)の基本

今回の記事では坂トレーニング(ヒルトレ)を解説します。

 

坂ダッシュってトレーニングにとてもいいとは聞くけど…

トラックでインターバルしてた方がいいんじゃないの?

長くLSDしてた方が、レースに直結しそうじゃない?

やり方がイマイチわからない…

 

こう思って敬遠されている方はいませんか?

トレーニングは意図を理解して行うことで

効果が最大化します。

今回の記事をしっかり理解して行うことで

確実にパフォーマンスが上がると思いますので

ぜひ最後までお読みください。

 

 

このブログの根拠

山田祐生
【プロフィール】
・高校時代陸上部(目立つ成績はありません泣)からブランク10年
・フルマラソン:未経験➡︎2時間17分台
・5000m:14分28秒、10000m29分52秒
全ての記録をセルフコーチング。

 

 

坂トレーニングとは

文字通り、坂(傾斜)を利用して行うトレーニングのことです。

坂を駆け上るアップヒル、

坂を下るダウンヒルがあり、

ここにどのような距離・時間で行うかで

トレーニングのバリエーションが変わります。

 

坂トレーニングの効果

 

坂トレーニングの効果は、サーフェスによる通常のランニング以上の負荷をかけることができることです。

 

アップヒル

登り坂を登ることをアップヒルと言います。

例えば1km走を平地で行うのと、坂で行うのでは

同じ強度で行っても得られる効果は変わります。

坂で行う1km走の方がより体への負荷は高いのですが、

斜面に対して登っていくことになるので、

着地の衝撃が少なくなります。

 

長距離走の故障のほとんどの原因は着地衝撃による故障ですので、

坂を使うことで、

心肺機能や活動筋(下肢)に対して、

怪我のリスクを減らしつつ、

効率よくトレーニング効果を得ることができます。

 

ヒルスプリント

坂を使った100m全力走などでは、

最大筋力の向上を狙うことも可能です。

 

短距離走、100mの話ですが、

100mを速く走ろうとするには、

(様々な要因はありますが)全速力で走るだけでは

速くなることはありません。

100mを全力で走っていても

その全力で走る100mに対してラクになっていく(持久力がつく)だけだからです。

100mを速く走ろうと思えば、

100mで速く走るために必要なことは

筋力向上なわけですので、そのためには走る以外のことで

外的な負荷を高めてトレーニングを行います。

 

タイヤ引きやパラシュートをつけて走っているのは外的な負荷を高めているのです。

 

ヒルスプリントは外的な負荷という面でもとても有効です。

地面に対してかけのぼりますので

自身の体を、重力に逆らって動かす必要があります。

より大きな外的負荷をかけることができるのです。

 

 

ヒルトレーニングの注意点

ヒルトレーニングの注意するべき点としては、

DOMSが起こりやすいことです。

いわゆる筋肉痛です。

筋肉痛はトレーニングのやる気にも関わりますので、

重要なトレーニングの前日には行わない方が良いと言えます。

 

 

ダウンヒル

坂を下る「ダウンヒル」もトレーニングとして有効です。

こちらは重力が走速度にプラスに働きますので、

自身の限界のランニング動作以上にスピードを出すことが可能です。

これにより神経系への刺激を入れることができますので

ランニングエコノミーの向上や、

走動作の獲得が可能です。

 

例:5000m14分00秒を目標をしている14分30秒の選手

レースペースでのランニング動作を獲得するために

くだり傾向の路面で1000mを2’48/kmで3000m前後のトレーニングの行う

 

またダウンヒルは、

その特性上、内臓への衝撃が強くでます。

内臓の揺れや衝撃で起こるとされている「差し込み」の

耐性トレーニングにも使えると思います。

 

※ダウンヒルの注意点

ダウンヒルを行うには以下のデメリットを踏まえて行います。

・強いエキセントリックな収縮が起こる

伸ばされながら筋力を発揮することをエキセントリック収縮と言いますが、

くだり坂ではどんなペースであっても平地と比較して強く起こります。

 

・重力負荷が加わるため関節への負荷が高まる

ランニングは片足ジャンプの連続ですので

必ず空中に浮く時間があります。

そこから、片足で着地して体重分の衝撃を各関節で受け止めて

またジャンプ動作に切り替わるという

連続動作です。

くだりではそこに重力が加わりますので

必然的に着地の衝撃は大きくなります。

 

怪我のリスクは大きくなりますので

十分注意して行います。

 

 

坂トレーニングのバリエーション

坂を使ったトレーニングのバリエーションを紹介します。

ヒルスプリント

100m〜200m程度の坂

10秒〜30秒ほどの全力スプリント

目的は最大筋力の向上

リカバリーは長く、完全回復で行う。

傾斜は4〜6度程度。

 

アップヒル

1000m程度のインターバル

3000m〜10000mのRP

目的は、怪我のリスクを防ぎながら特異的な筋力向上、心肺機能向上

トレーニング方法は通常のインターバルと同様で行う。

傾斜は高いほど負荷は高いが、こなせないリスクもあるため

傾斜が高すぎてもよくない。

 

ダウンヒル

レースペースで行うトレーニング

種目の目標ペース前後で行う

目的は、目標ペースへの神経系の適応

トレーニングは怪我に注意して行う。

 

 

特異的ロング走前の基礎にも有効な登坂走

坂はトレーニングの負荷をプラスで高めてくれるオプションのようなものです。

運動の負荷は、強度と時間で決まります。

 

運動負荷=強度*時間

 

そこに坂というプラスアルファの負荷が加わることで

強度や時間以外の変数で運動負荷を高めることができるのです。

 

運動負荷=強度*時間*サーフェス

 

例えば1日1時間しかトレーニング時間が確保できないとします。

しかし90分のロング走程度の運動負荷が欲しいとしたら、

強度を上げるしか運動負荷を高める方法はないのですが、

そこにサーフェスの負荷が加わる感じです。

アップダウンの激しいサーフェスでは、強度と時間以外で

トレーニング負荷を高めることができます。

 

マラソンにおけるロング走など特異的なトレーニングの

前段階として、ロングジョグを行う方が多いと思いますが、

そのロングジョグで登り坂を使ってトレーニングを行うというのは

特異的なロング走に向けた脚作りとしてはとても有効であると思います。

 

 

まるお製作所RCのメンバー様の中でも

少ないトレーニング時間であったのにもかかわらず、

このアップダウンを使ったトレーニングでサブ3を達成された方もおります。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。

 

またこちらの書籍でも坂を使ったトレーニングが有効であると書かれています。

読みやすい本ですのでぜひお読みになってください。

理解が深まると思います。

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いつ取り入れるべきか:基礎期に有効

紹介した坂を使ったトレーニングが、

どのような時に取り入れるべきでしょうか。

 

結論としては「基礎期」に取り入れるべきだと言えます。

 

上記で説明した通り、坂は負荷を高めるオプションのようなものです。

実際レースは、トラック種目は平坦ですし、

マラソンにおいても一部アップダウンがあるとはいえ

基本はほとんど平坦だと言えます。

 

と考えれば、レース前に特異的にトレーニングを行うのであれば

時間や強度をできるだけレースに近づけていく方が

期分けの原理からいっても得策です。

 

トレーニングプログラムの初期段階で行うと

後々の特異的なトレーニングの伸び代が大きくなると思います。

 

 

まとめ

ということでヒルトレーニングについて解説しました。

 

・筋力アップ、神経系の適応など得られる効果は大きい!

・坂は運動負荷を高める効果的なトレーニング!

・注意点もあるのでしっかり理解して行う。

・取り入れるなら「基礎期」に!

 

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