正しいクーリングダウン
クーリングダウンの間違ったやり方なんてあるの?
そう思った方はぜひ最後までお読みください。
今回は奥の深いクーリングダウンを解説します。
▼動画でのダウンの効果を解説▼
目次
クーリングダウンとは
クーリングダウンの意味や目的を書く参考書をもとに考えてみます。
クーリングダウンの目的は、身体が運動前の状態に戻るように促すこと。
ダウンで血流を増やし回復を早めることで、代謝を安定時レベルまで下げることです。
〜アドバンスドマラソントレーニング〜
走った後の血流の戻りをよくする。
トレーニングでの疾走が早くなれななるほど、
安静時と体の中の状況が変わります。
代表的には代謝や血流の流れがあげられます。
乳酸を速く除去するには
トレーニング後すぐに切り上げるよりも
ジョグで乳酸を取り除くことがいいのです。
〜中長距離走トレーニング〜
つまり、クーリングダウンの基本的な目的は、
いわばトレーニングと安静時との橋渡しのようなものであると言えます。
トレーニングで高ぶった身体を
安静状態になめらかに戻すことが役割なのです。
トレーニングで上昇するアドレナリンなどのホルモンをなめらかに戻したり、
血中乳酸濃度を速やかに除去することが目的と言えます。
ダウン自体は怪我の抑制というわけではない。
つまり、怪我を防ぐためにダウンジョグを行うというのは
間違っている可能性があるのです。
この間違った考え方では、
ランニング障害を助長してしまう可能性もあるのです。
ランニングによる障害の多くは、走りすぎによる
筋肉や関節のオーバーユースです。
つまり、怪我を防ぐために長く行っていたクーリングダウンが
もしかしたら故障につながる可能性もあるのです。
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怪我を防ぐという意味であれば
ストレッチやマッサージをお勧めします。
とはいえ、捉え方次第ですが
ゆっくりとしたジョギングは、足部のストレッチとも考えられます。
ランニングを含むすべての運動は、
筋肉の伸長と収縮によっておこなわれますので、
走動作も動的ストレッチと考えることもできます。
・ダウンは走ることなので着地に衝撃もある。
・怪我を防ぐにはストレッチやマッサージ。
・とはいえダウンにもストレッチ効果もあるし、
正しく適度に行うことも大事
マラソンペースよりも遅いトレーニングではダウンの必要はない?
クーリングダウンの目的は、
乳酸のいち速い除去ですので、
トレーニングで乳酸濃度が蓄積していることが前提となります。
そう考えると、
LTよりも低い強度で行うマラソン程度の強度では
クーリングダウンは必要がないとも言えそうです。
▼ LTトレーニングについてはこちら▼
LT強化は閾値走だけじゃない。LTの本当の理解。
しかし、理論上必要ないとはいえ、
いきなり本練習終えたらすぐに、たとえば仕事に戻るというのも
やや気持ちが悪いものです。
トレーニングは、ある程度、
やる気スイッチ(アドレナリンやテストステロンなどのホルモンの増加)が入るものです。
そこから急に安静時に移行するのも、
やや合理的ではないと思いますので、
1km程度のクーリングダウンを行うといいのかなと思います。
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クーリングダウンを取り入れるべき時
トレーニング強度がLT以上での練習では
“速やかに“行うべきだと言えます。
クーリングダウンが乳酸の除去を早めるためのものであれば、
乳酸の蓄積が開始する LTよりも上の強度ではダウンを行います。
また、
乳酸は軽い運動のほうが
より速く除去される(エネルギーとして利用される)ので
本練習後は速やかに行うべきです。
乳酸除去能力を高めるという点から見ても
本練習とクーリングダウンの間は短くするといいと思います。
クーリングダウンの時間は何分が最適?
どの本にも書かれている最適なクーリングダウンの時間は10〜15分とされています。
本練習で疲れて走れない場合は、
最初の5分はゆっくりと歩きを行い
徐々にジョギングに切り替えるといいと思います。
クーリングダウン=トレーニングと捉えるランナーも多い
本練習の後に、60分など長くダウンジョグをしている選手も多いです。
日本トップ選手である大迫選手も、
ダウンを長く行われているシーンも投稿されています。
これは、クーリングダウンも兼ねているとは思いますが
それ以上にトレーニング要素が強いと考えられます。
強度の高いトレーニングは、
その特性上トレーニングのボリュームを確保することができません。
しかし、マラソンをメインで取り組む方にとっては
トレーニング量は確保しなければなりません。
そういった意味では、
本練習+ロングジョグ(ダウンを兼ねる)
といった取り組み方も
一つの手法なのかなと思います。
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