【レビュー】EVOSL (エヴォSL)はデイリーシューズの覇権を取る
今回はアディダスより11月23日に発売された
EvoSLを徹底レビューします。
さっそく
このシューズの評価ですが、
ジョグシューズとしてみれば
史上最高レベルの完成度を感じました。
ただ、使用してみて感じた、
「悪い部分」もありますので
そちらも記事後半で解説したいと思います。
【動画でも紹介】
購入経緯
一言で言えば「アディダスの快進撃」に惹かれたこと。
アディダスが開発した1足8万円という超高級シューズ「Evo1」。
この「Evo1」の快進撃の一例ですが、
女子マラソンのこれまでの世界記録である2時間14分04秒を
2時間11分53秒という驚異的な記録で更新したアセファ選手が着用していたり、
パリオリンピックをオリンピックレコードで優勝したトラ選手が着用していたり
日本では箱根駅伝のトップ選手も着用しています。
上記の通り、
ここ最近のアディダスの快進撃は
目を見張るものがあります。
Evo SLは、
そんなアディダスの最高傑作
「Evo1」の性能を踏襲したモデルということで
非常に気になったため購入しました。
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EvoSLの特徴
EvoSLの特徴は下記の通り。
- ・218gの最軽量デイリーシューズ
- ・ライトストライクプロをフルレングスで搭載
- ・ノンカーボンシューズ
- ・価格は19800円でジョグシューズとしては高価格帯
下記でそれぞれ詳細に解説します。
デイリーシューズ最軽量
Evo1はデイリーシューズとして発売されていますが、
デイリーシューズとは思えないほどの
軽量性を備えています。
26.5cm実測で片足わずか217gとなっています。
その他アディダス社のシューズと比較しても
軽さ(実測値)は歴然としています。
シューズ | 重さ(26.5cm) |
アディオスプロ3 | 218g |
アディオスプロ4 | 197g |
タクミセン9 | 186g |
SL(初代) | 245g |
SL2 | 227g |
ボストン12 | 235g |
ライトストライクプロをフル搭載
EvoSLにはEvo1やアディオスプロにも採用されている
「ライトストライクプロ」がミッドソールに採用されています。
EvoSLのように
上位モデルのミッドソールを搭載したシューズは
他のメーカーでも多数発売されています。
下記で同価格帯の似たようなスペックのものをまとめました。
メーカー | ハイエンド | 採用 ミッドソール |
価格 | 上位ミッドソール 素材採用 |
採用 ミッドソール |
価格 |
adidas | Adiospro3 | ライトストライクプロ | 26400円 | EvoSL | ライトストライクプロ | 19800円 |
NIKE | ヴェイパーフライ | ZoomX | 36080円 | ペガサスプラス | ZoomX | 19800円 |
asics | メタスピードパリ | FFTURBOPLUS | 27500円 | スーパーブラスト | FFTURBOPLUS | 24200円 |
On | Boomstrike | HelionHF | 36300円 | MonsterHyper | HelionHF+Helion | 26400円 |
NB | SC elite v4 | FuelCell | 29700円 | FuelCell Rebel v4 | FuelCell | 16500円 |
このように比較すると
19800円は決して高いシューズではないような気はします。
カーボンは非搭載
デイリーシューズとしても使いやすいカーボンレスシューズ。
強いバネ感は感じられず、
純粋にライトストライクプロの反発感を
感じることができる設計になっています。
カーボンシューズはその特性上、
着地の衝撃をパワーに変換するため
関節にかかる負荷は大きくなりやすいです。
また、
うまく扱えないと
膝や足首に障がいが発しやすいとも言われていますので、
デイリーシューズではカーボンレスシューズが理想といえます。
価格は19800円と高価な部類
価格は19800円。
上位ミッドソール素材をフルレングスで採用したモデルとしては価格は安いと思います。
(上記トピックで解説した通り。)
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実施に履いてみる
ランニングシューズは、最初のフィーリングがとても重要です。
さっそく手に持ってみます。
最軽量シューズであるという事前情報通り
「軽い!」
筆者の場合、
かかとを持ち、
手首のスナップで持ち上げて重さを確認するのですが
他のデイリーシューズとは比較にならないくらいフワッと持ち上がります。
軽量性は抜群です。
実際に足入れしてみる。
かかと周りの硬さもほぼなく、快適すぎる足入れです。
デイリートレーナー系のシューズは
ヒールカウンターや足首周りが
やや頑丈に補強されていることが多いですが、
EvoSLはあまり補強はされておらず非常に薄い作り。
アッパーも非常に柔らかい。
Evo1の、
肌に吸い付くようなアッパーを彷彿とさせるアッパーの柔らかさ。
シュータンのクッションが非常に心地よい
シュータンは薄い素材を使用していますが、
ヒモが当たる部分にはエアーのクッションを搭載。
このおかげでシューレースをきつく締めたときにも締め付けを感じづらいです。
サイズ感はやや大きいが下げるほどでもない
サイズ感は、前足部分にややゆとりを感じます。
マイサイズ26.5cmでEvoSLも26.5cmで購入。
やや前足部にゆとりを感じますが、
ワンサイズ下げるほどでもないような気がします。
ソールの柔らかさを感じる
その場でジャンプ、軽く歩いてみるとライトストライクプロ独特の
しっかりとした弾力性を感じます。
またロッカー機能が効いており足がカクンと前に倒れ込む感覚があります。
形状的にもスピードは出しやすそうです。
逆に安定性は低そうですのでゆっくり走るには少し疲れるかもしれません。
(スピードをコントロールして走ることになるため)
※後述しますが、ロッカーは効いているものの、
実際に走ってみるとアディオスプロ3のようなガクッと
パワーポジションに入るような感覚はありません。
実際に走ってみる
トレーニングは14km走のリカバリージョグ、
間でスピードが出せるかチェックも兼ねて1kmサージを行います。
はじめに感じた違和感
さっそく走っていきます。
最初に感じたのは「やや肩透かし感…?」。
世界記録更新やパリオリンピック、箱根駅伝でも大活躍の
Evo1の性能を踏襲したシューズということで
期待していたのが大きかったのかもしれません。
シューズの性能は高いとは思うものの、
個人的な履き心地としては完璧ではないイメージ。
非常に軽やかに走れるものの、
推進力が上に抜けてしまう感覚を感じます。
この違和感の正体はおそらくロッカーの位置であると思います。
Evo1もそうらしいのですが、
これまでのアディゼロシリーズと比べて
ロッカーの位置が変更されているそうです。
(やや中足部寄りに変更され安定するようになった)
アディオスプロ3と比較して、
カクンと倒れる場所がなくなったように感じます。
アディオスプロ3までのこれまでのアディゼロシリーズは、
カクッと前に倒れ込む感覚があったのですが
このEvoSLにはあまりそのロッカー機能は感じづらいです。
それでも、足上がりの良さはピカイチ。
軽量性とミッドソールの反発力は高く、
足回しは非常にしやすいです。
体が温まるにつれて感動
しかし、
どんどんと走っていくにつれてこのシューズの真価を感じ取れてきました。
きっちり、このシューズの
パワーポジションに入れるようになれば、
軽量性と相まり非常に走りやすく感じます。
この日のジョグの結果は下記の通り。
リカバリージョグの予定でしたので
5’00くらいから4’30くらいで走れればと思っていましたが
どんどんスピードに乗る感じがありました。
翌日再度ジョグで確信に変わる
翌日再度ジョグで使用。
この日は距離を短くややテンポ良く走る
予定(2~3kmアップでその後はキロ4程度を予定)で
トレーニング開始。
結果は上記の通り
快調に走ることができ
シューズの性能の高さを感じました。
しかし、悪くいえば
予定のスピードよりも速度が出る印象がある(ゆっくりは走れない)ので、
リカバリージョグやファンランでは使いにくいかもしれません。
そういった場合は、
アディダスのスーパーノヴァライズの方がおすすめです。
おすすめの使用用途:有酸素〜モデラート
おすすめの使用用途は
有酸素ランニングや快調走がおすすめといえそうです。
ランニングが60%Vo2max以上の強度、
それ以下はジョグと定義づけするとすれば
ジョグではなくランニングでの使用が合うと思います。
また、
ジョグの全体の質を高めていきたい基礎期の走り込みには
とても相性がいいなと思いました。
逆にマラソンなどの特異期に入り、
高強度と低強度のメリハリをつけるときには
出番は少なくなるように感じます。
もう少し強度の高いLT系のトレーニングでも
使おうと思えば余裕で使える印象もありますが、
わざわざこのシューズを選んでLTを行おうと思うかといえば微妙なところ。
使ってもモデラート強度まで、
といった印象で、
LT系以上の強度は
使用することをおすすめします。
ロング走ではなくロングジョグでもオススメ
また強度の高くないロングジョグでの使用も
非常にEvoSLとの相性も良さそうです。
気になる「悪いところ」は?
あまり悪い部分はありませんが、
強いてあげるなら「耐久性」に不安を感じる点。
SL2と比較してもアウトソールの耐久性に不安を感じます。
また小指の部分はミッドソールが剥き出しの形状になっています。
極端な外足フォアフット接地の場合、
この小指部分のソールからダメになることが予想されます。
SL2との違いは主にミッドソールの構造含む3点
SL2との大きな違いは、主に3点
- ・ミッドソールの構造
- ・軽量性
- ・耐久性
ミッドソールの構造
は、PEBA素材の上位ミッドソールであるライトストライクプロを上部に
耐久性の高い、EVA素材のライトストライクを下層部に配置した2層構造。
ここが、ライトストライクプロをフルレングス採用したEvoSLとの違いです。
この構造が違いとして次に紹介する、「耐久性」「軽量性」に大きく関与します。
軽量性【SL2:228g】【EvoSL:217g】
EvoSLには、ミッドソールに軽量性と反発力を高める素材として
レーシングシューズにはどのメーカーも採用するPEBA素材を全面使用。
これによりシューズの重さに違いがあります。
SL2の228gでもデイリーシューズとしてが非常に軽量でしたが、
EvoSLはさらに軽量になり、レーシングシューズと変わらないほどの軽量性となっています。
耐久性:SL2の方が耐久性は高そう
耐久性ではSL2に劣る感じはあります。
ミッドソールの構造もそうですが、
アウトソールの見た目からも耐久性の違いを感じ取れます。
画像の左がEvoSL、右がSL2ですが、
アウトソールにおけるグリップの頑丈さが、SL2の方が高いです。
またEvoSLは小指部分にはアウトソールのグリップがないため、
小指部分はすぐにソールが擦り減ると思われます。
以上がSL2とEvoSLの大きな違いとなります。
まとめ
今回はEvoSLをレビューさせていただきました。
まとめると、
デイリーシューズにはもったいないレベルの性能で、
このシューズを履いてしまうと他のシューズに戻れないほど完成度は高く感じました。
しかし、
その反面
推進力が鉛直方面に抜ける感じもあり、
うまく履きこなす技術もや足慣れが必要に感じるシューズとなります。
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