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Vo2maxを向上させる具体的トレーニングと理論

今回の記事ではみなさんに

Vo2maxを正しく理解し、

ご自身のトレーニングにも活かせるように

Vo2maxの理論と実践について解説していきます。

 

この記事を読むとわかること

・パフォーマンスのプラトーを脱することができる

・Vo2maxを理解することができる

・vVO2maxと Vo2maxの関係

・トレーニングの効果を最大化することができる

 

トレーニングは自主性や論理的に考えることがとても重要です。

筆者の場合、

がむしゃらに行っていた学生時代は全く伸びなかったのですが、

積極的にトレーニングの理解を深めることで、

フルマラソン優勝できるくらいまでにはなれましたので、

今回の記事は必ず役立つものとなります。

 

このブログの根拠

山田祐生
【プロフィール】
・高校時代陸上部(目立つ成績はありません泣)からブランク10年
・フルマラソン:未経験➡︎2時間17分台
・5000m:14分28秒、10000m29分52秒
全ての記録をセルフコーチング。

 

 

 

Vo2maxとは

Vo2maxとは最大酸素摂取量のことで、

どれだけ酸素を利用した仕事(ここではランニング)をすることができるかの指標です。

おおよそ5〜10分程度、最大努力でのランニングができる強度と言われています。

 

名前
競技で言うと、1500〜3000mの強度くらいとなります。

 

最大酸素摂取量の計測方法は、

呼気ガスを使用し、徐々に運動強度を上げて最終的に最大努力になるようなランニングを行います。

その際の、酸素の取り込む量で計測し、酸素摂取量が限界に達したときの値を最大酸素摂取量と言います。

単位はml/kg/分で表されます。

体重1kgあたりに1分間で取り込む酸素の量で表します。

 

名前
体重が少なければ酸素摂取量は高くなります!

※酸素を使うのは各筋肉なので、筋肉を落とすと酸素の利用できるキャパシティは減ります。

筋肉を落とさず、脂肪を落とすのが理想といえます。

 

例:

体重50kg、1分間の酸素摂取量は3500mlの場合、

最大酸素摂取量は70ml/kg/分となります。

 

3500ml÷50=70

 

同じ酸素摂取量を保つことができるとすれば、

体重が低い方が、最大酸素摂取量は当然上がります。

 

例えば上の選手が体重が48kgになったとすると

最大酸素摂取量は72.9ml/kg/分となります。

 

3500ml÷48=72.9

 

 

 

 

 

Vo2maxを向上させるトレーニング

どの記事での解説でも書いておりますが、

呼吸循環器系の指標である Vo2maxも、代謝系の指標であるLTなども、

様々なエネルギー供給機構が複雑に絡み合ってエネルギーを生み出しています。

ですので、どんなトレーニングでも改善方向に進む(プラスの出力になる)と考えていいと思います。

 

例えば、全くトレーニングを積んでいないランナーであれば

ジョギングだけでも Vo2maxが向上することが知られています。

 

しかし、トレーニングを十分に積んだランナーではジョギングでのVo2向上はほとんど見込めないでしょう。

筆者の経験則からもそう思います。

名前
ジョギングだけで5000m日本代表になれた選手はいません。

 

トレーニングの刺激が不足しているのです。

より特異的にトレーニングの刺激を加える必要があるので、

必然的に Vo2max時の運動強度となります。

 

 Vo2max向上には Vo2max時の運動強度前後が理想

上記での説明した通り、

Vo2maxでの運動強度は5〜10分程度続けられる強度となります。

これはおおよそ3000mのRP(レースペース)です。

 

立命館大学での筆者の測定(23年8月)

大学での研究の結果では

最大走速度がおおよそ2分48秒/kmとなっております。

 

最大酸素摂取量の限界は

やや速くきていると考えられますので、

少し控えめにみて Vo2maxでの速度は

2分50秒/km程度でしょうか。

 

筆者の3000mの自己ベストが8分30秒ですので、

3000mの疾走速度と一致していることを考えても、

「3000mのRP=Vo2max時のスピード」と捉えて問題ないでしょう。

 

 

90%〜100%Vo2maxトレーニング

こちらの本では

有気的キャパシティトレーニングは Vo2maxの95〜100%で行う、

と記載されています。

 

3000mを全力疾走できるの強度が100% Vo2maxですので、

3000m〜5000mのレースペースで行うのが良いでしょう。

 

距離的には1000mを3本〜5本インターバルで行います。

 

この強度は、有酸素的能力の限界値あたりですので、 

ペースを無理に速めようとせず本数を伸ばして刺激時間を増やします。

ペースを上げようとすると、

有酸素から無酸素的な代謝の割合が増え出しますので

できるだけ長い刺激時間を確保しようと考えると、

ペースを上げるのは理論的ではありません。

 

まずは1000m3本を余裕を持って、徐々に本数や距離を伸ばす

回数をこなし体が適応してくると、トレーニングにゆとりができていきます。

ゆとりが出てきたら本数を増やしていきます。

最大で5本程度行えると理想です。

逆にそれ以上にできてしまうようであれば、

Vo2maxの95〜100%の強度からは外れてしまっています。

強度を少し高めて5本でお腹いっぱいになる程度(か、少し余裕がある程度)で行います。

 

名前
本数を増やすでもいいですし、距離を少し伸ばすのも有効です!(1000m→1200mなど)

 

1000m5本レスト1分の真実

最大酸素摂取量の向上を狙ったトレーニングで、

代表的と言えるのはRPでの1000m5本インターバルではないでしょうか。

 

上記で説明した通り、

有酸素的能力が最大限に高まった時(パフォーマンスピーク時)に

やっとこなせるようなものだと思います。

 

例えば5000mを専門としている場合、

 Vo2maxを強化するためにまずは1000m3本(100% Vo2max)でこなします。

トレーニングをこなしていき目標レースに向けて仕上げて行く段階で

徐々に、その速度における強度が落ちていきます。

トレーニングの適応が起こり

今までよりもラクにこなせるようになっているわけです。

(トレーニング前100% Vo2max

→トレーニングにより95% Vo2maxでラクにこなせるように適応している)

 

95%Vo2maxはおおよそ5000mのレースペースになりますので、

3本でこなしていたものが、

トレーニングを積むことでその強度がラクにこなせるようになり

結果として5本こなせるようになっているのです。

 

ですので、トレーニングプログラムの最初から1000m5本インターバルでこなすようにするのではなく、

目標であるレースに向けて徐々に体を作っていくようにして、

仕上がった状態であるレース前の重要練習で

1000m5本をこなす、と考えるのが理論的です。

 

名前

1000m5本は必要な練習ですが、いつでもできるようにする必要はない!レースに向けて仕上げた時のピーク時にできればOK!

 

 Vo2maxは限界になるのが早い

 

 ここまでVo2maxを向上させるトレーニングを解説しました。

しかし、このVo2maxは、

どんなに先天的に優れていても

元の値の150%程度しか増加しないと言われています。

Vo2maxが150%も上昇するランナーはハイレスポンダーといい、優れた結果を残すことが多いです。

ほとんどの人は120%の上昇率だと言われています。

 

Vo2maxは遺伝の影響が大きい

遺伝によって Vo2maxの伸び率はかなり決まるようです。

トレーニングを全くしていない状態、

例えば怪我していて長く走っていなかったランナーを想像してみてください。

 

ふつうは全く走れないか、

トレーニングを積んでいない人レベルまで落ちると思います。

しかし、故障明けなのになぜか速い人、いませんか?

 

故障明け2週間で3000m9分台では走れたり…

 

こういったランナーはやはり遺伝的に優れており、

そういったランナーは Vo2maxの上昇率もやはり高い傾向にあるそうです。

 

 

vVo2maxが重要である

Vo2maxは限界がきやすいのがわかっていますので、

パフォーマンスを上げるには、

できるだけ少ない酸素摂取量でできるだけ速いスピードで走れることが重要です。

つまりランニングエコノミーが重要となります。

 

ランニングエコノミー=どれだけエコかが重要

ランニングエコノミーという言葉は聞いたことがある方は多いと思います。

大多数の方のイメージは、

「LSDで向上する」、

「ウェイトトレーニングで向上する」

といったイメージで、なぜそれがランニングエコノミーにつながるのかまでは

理解できていない方も多いと思います。

 

ランニングエコノミーはどれだけ少ない酸素で走れるか

ランニングエコノミーの計測方法は、

ある特定のペースでの 酸素摂取量で計測し、

より酸素摂取量が少なければランニングエコノミーが高いということになります。

 

Vo2maxが優れたランナーAと、やや劣ったランナーBがいたとします。

Aは Vo2maxで見ると非常に高い酸素利用能力がありますが、

このAが、Bよりも遅いペースでエネルギーが必要ということもあります。

Aは4’00/kmの速度で、酸素摂取量が最大酸素摂取量に到達、

Bは4’00/kmの速度では、酸素摂取量は最大には到達していない、

ということも往々にしてあるのです。

 

これが Vo2maxだけではなく、その時の速度が重要である理由です。

 

このように Vo2maxは一つの指標でしかなく、

 Vo2maxに到達した時の速度、vVo2maxが重要です。

(vVo2max=velocity Vo2max)

 

また10000mやマラソンなどのVo2max以下の強度で行う種目については、

その動きに対して、いかに必要な酸素摂取量が少ないかが重要になります。

走りの経済性、これがランニングエコノミーの指標です。

 

 

おすすめのトレーニング

トレーニング:1000m3本、レストは疾走時間程度

vVo2maxでのトレーニングは、

トレーニングの原理原則を考えるとご自身のvVo2max付近か、

もう少し速いくらいでの反復トレーニングがいいと思います。

疾走ペースに対して、ラクに走れるようにしていきたいわけですので、

レストは疾走と同じ程度は確保していいでしょう。

 

筆者
レストを短くして追い込むよりも、1本ずつその速度に対して余裕を持って行います。

 

スプリントトレーニングも有効

また、vVo2maxに対してどうすればラクにその速度を出せるのかを考えると

 “Vo2maxの強度よりも高い強度”の余裕度も関係してくると思います。

いわゆる「解糖系」や「ATP-CP系」の能力です。

 

この強度のトレーニングとしておすすめは

  • ・「解糖系」なら200mスプリント
  • ・「ATPーCP系」は10秒未満のスプリント

です。

 

筆者
上の図で言うと、ATPーCP系は赤解糖系は橙、 Vo2maxなどの有酸素は青

 

上記のような出力を上げるような、

長距離選手のボトルネックになりやすいスプリント系の能力(無酸素能力)については

基礎期に高めておき、十分に刺激し向上させてから、

その後、Vo2maxなどの有酸素能力を特異的に仕上げていく、

というのが、理想のトレーニングの形と言えるでしょう。

 

\vVo2maxをより詳しくまとめた記事はこちら/

VO2MAXを鍛えるだけでは速くなりません。その真実は?

 

ウェイトトレーニングはvVo2maxでの相対的な力を引き下げる

ウェイトトレーニングもvVo2maxでの速度を上げるのに有効です。

筋力の向上により、接地時の負荷局面に適応される相対的な力を下げることになります。

要求される力の減少は、必要な代謝量の減少(=より少ないエネルギーで同じ運動ができる)を示します。

とある研究では、8週間のウェイトトレーニングによって

長距離ランナーのvVo2maxは減少したそうです。

(Vo2maxやLT、体重の増減はなし)

 

ウェイトに関しては、

速筋の中でも中間筋への刺激が目的となるため

休憩は短くせずしっかりと取り、

高重量を持てるように取り組むことが重要です。

重量目安は最大挙上重量の85%以上となります。

 

参考文献

 

まとめ

今回は Vo2maxについて解説しました。

  • ・必要な時期に必要な分取り組むこと
  • ・ Vo2max向上の前に、質を高めるために無酸素パワーを向上させること
  • ・レースに向けて徐々に特異的(% Vo2maxを意識)に行うこと

が重要であると言えます。

 

 

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