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【30kmの壁】マラソン30km以降の失速を防ぐ方法

マラソン前半は調子良く走れて、意外とマラソン余裕じゃん!

と余裕で走っていたのに…

30kmを過ぎてから急に体にうまく走れなくなる。

マラソンを走っていてそんなことを感じたことはないですか?

 

これはいわゆる【30kmの壁】と言われるもので、

フルマラソン完走の難しさでもあります。

 

この30kmの壁を感じている限り、目標のタイムで走ることは難しいでしょう。

ですが、攻略してしまえば目標を達成することができるとも言えます。

 

今回はそんな【30kmの壁】を克服する方法を具体的に解説します。

 

今回の記事は…

・30kmの壁ってどんな状態?

・身体の中で何が起こっている?

・具体的な改善策は?

 

 

で構成し、解説していきます。

 

このブログの根拠

山田祐生
【プロフィール】
・高校時代陸上部(目立つ成績はありません泣)からブランク10年
・フルマラソン:未経験➡︎2時間17分台
・5000m:14分28秒、10000m29分52秒
全ての記録をセルフコーチング。

 

 

▼動画でも解説しています▼

30kmの壁ってどんな状態?

 

30kmの壁とはどのような状態でしょうか。

筆者の感じる30kmの壁は

 

・エネルギーを感じない

・バネ感がなくなる

 

筆者が30kmで感じる壁の感覚はこの辺りです。

 

エネルギーを感じない

マラソン後半ではエネルギーの不足感を感じることがあります。

実際にエネルギーが枯渇しているかは分かりませんが、

明らかに力が抜ける感覚を感じることがあります。

急にお腹がすくような感覚になります。

 

急になくなるわけではないと思いますので

実際は、脳が身体を停止させるために

空腹という信号を出しているものだと思います。

 

バネを感じない

ふつうに走っている時には「SSC」という、

筋肉をバネのようにして走っています。

このバネは疲労していないレース前半では、

心地よく機能するのですが、

レース終盤戦では、からだの疲労により、

バネの跳ねる感覚がなくなります。

 

無理やり足を動かしてゴールまで身体を運ぶような感じでしょうか。

 

感覚としては、股関節・膝関節のクッションを使えずに

腰の曲げ伸ばしになってしまっているような感覚です。

 

股関節が思うようにクッションの役割を果たせず

膝がガチンガチンとなる…

LEGOブロックのような感じといえば想像していただけるでしょうか。

 

 

 

失速中、からだのなかで何が起こっている?

ではなぜこの現象が起こるのでしょうか

こうなる原因を突き止めなかれば解決策も出てきません。

筆者なりに解釈してみます。

 

エネルギーを感じないメカニズム

ランニングでエネルギー消費

→エネルギーは主に筋グリコーゲンから産まれる

→体にあるグリコーゲンの限界に達する

→筋グリコーゲンの枯渇状態

→身体が思うように動かせなくなる

→筋肉の収縮抑制

→30kmの壁

 

走るということは体を動かすことですので

当然ながらエネルギーを生み出して活動しています。

 

エネルギーのもとは糖質と脂質です。

メインは糖質で走ることになるのですが、

人の体に蓄えることができる糖質(グリコーゲン)の量も限りがあります。

体内に蓄えられる糖質の量は1600kcalと言われています。

 

マラソンでの必要カロリーの計算は以下の通り。

消費カロリー(kcal)=METs×体重(kg)×運動時間(h)×1.05

 

※METsは安静時を1とした時にその運動が安静時の何倍に当たるかを示した数値です。

METsの表は下記の通り。

METs エクササイズ例 マラソン換算
1 安静
3 ピラティス、ゴルフ
4 通勤通学の歩行
5 ウォーキング
6 ランニング(6.4km /時) 6時間35分
7 ジョギング全般
8 水泳、腕立て、腹筋、バスケ
11 ランニング(11.3km /時) 4時間13分
13 ランニング(14.1km /時) 3時間
15 走って階段を上がる
16 ランニング(16.2km /時) 2時間36分

 

・体重55kgのランナーが2時間36分(16METs)で走ったとすると

16×55×2.5×1.05=2310kcal

・体重60kgのランナーが3時間(13METs)で走ったとすると

13×60×3×1.05=2457kcal

 

体内で蓄えられる糖質量は1600kcalと言われていますので

不足しているのは明らかです。

全てのエネルギーを糖質から、という単純な計算(脂質代謝や乳酸代謝を除外)ですが

エネルギーを生み出せないということは

「筋グリコーゲン」が不足してしまっているのかもしれないという考え方ができます。

 

バネが生まれない

バネ=SSC

ランニングでエネルギー消費

→エネルギーは主に筋グリコーゲンから産まれる

→体にあるグリコーゲンの限界に達する

→筋グリコーゲンの枯渇状態

→身体が思うように動かせなくなる

→筋肉の収縮抑制

→バネで走れなくなる

→30kmの壁

 

SSC(伸長短縮サイクル)

主動作の前に筋の伸長することで

主動作のパフォーマンスが上がる

ランニングの代表的なSSCは、股関節の屈曲伸展運動。

股関節屈曲でハム・臀筋は伸長し、

主動作である収縮(股関節伸展)が起こる。

 

エネルギー枯渇による筋肉の収縮抑制は、

エキセントリックな収縮ができずに

上記の「レゴ動き」になるのでは、と考えます。

 

 

 

具体的な改善策は?

ここまで、30kmの壁の原因を解説しました。

ではどうしたら壁を改善できるのか?

筆者の考えは下記の通り。

 

①元々の筋グリコーゲンを蓄える能力を高める

②枯渇しないように都度都度投入する

③脂肪利用能力も合わせて高める。

 

②はエナジージェルを摂ることで解決できそうです。

エナジージェルについて徹底解説した記事は下記よりご覧ください。

絶対におすすめできるエナジージェル【摂るべきタイミング】

 

①の元々の筋グリコーゲンを蓄える能力を高める方法には

カーボローディングなどの食事法でもグリコーゲンを貯蔵量を増やすことができます。

今回はトレーニング方法について書きます。

 

対策として有効なのは、

 

・最後までつぶれない40km

・結局、走行距離

・脂肪利用代謝能力「も」高める

・高強度トレーニング

 

 

結論、バランスよくトレーニングし走行距離を増やしていくのが有効なようです。

しかし、どれかだけでも改善できれば、失速の要因を改善できるとも考えられます。

 

 

最後までつぶれない40km

40km走などのロング走は効率よく、

グリコーゲン貯蔵量を増やすことができ、脂肪利用効率も高めることができるようです。

 

この際のロング走は遅すぎては効果はないかと思います。

しかし、速すぎてはこなせないと思います。

LSDのようなゆっくりではなく、マラソンペースよりは遅い

その日の調子で、最後まで走れるであろうペースでの40km走

(30km以上のロング走)が有効かと思います。

たとえ30kmでも、マラソンペースよりも遅いので

レース30km以降のシミュレーションになります。

 

マラソン2時間30分の選手(1km3’30/km前後)

ロング走のペース→4’00/kmと想定すると…

30km走は2時間00分となります。

これは、レースで言えば34km程度のレースタイムとなり、

想定の30kmの壁は超えています。

 

 

結局、走行距離

走行距離も有効です。

月10kmしか走っていない人より月100km走っている人の方が

30kmの壁を感じなさそうですし、

月300km走っている人の方が、さらに壁を感じる距離も遠くなると思います。

 

筆者
走行距離を伸ばすと効果が出るのにも限度はあると思います。(収穫低減の法則)

 

脂肪利用代謝能力「も」高める

エネルギーを産み出す元はメインは糖質ですが、

脂肪もエネルギーにすることができます。

この脂肪代謝の能力「も」合わせて向上させると良いと思います。

 

脂肪代謝はサブ的に考えた方がいいかもしれない…

「ランナーのからだのなか」より引用。

脂質はエネルギー効率は悪いようですので、やはり糖質の使い方や貯蔵量などを改善させ、

脂質利用能力もサブ的に高める方が良さそうです。

※脂質利用能力を高めるにはLSDだ!

ではなく、

脂質と糖質を上手くブレンドさせるロング走だ重要だと思います。

 

 

高強度トレーニング

脂肪利用代謝はあくまでサブ、メインは糖質を使って走る。

つまり糖質を使うトレーニングは「高強度」ですね。

高強度トレーニングでしっかりと糖を使って走るのが良いと思います。

 

 

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参考本:

アドバンストマラソントレーニング

ランナーのからだのなか

パワーズ運動生理学

 

参考サイト:

運動生理学 ~速筋線維と遅筋線維の役割~

https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/history/tabid/1671/Default.aspx

https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_002433.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/advpub/0/advpub_18089/_pdf

 

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