【書評】「ランナーのからだのなか」は全ランナーのバイブルになるべき
マラソンを楽しんでいる皆さん、
「皆さんはゆっくりジョギングだけでマラソン完走できると思いますか?」
競技者の皆さん、
「低強度のトレーニングは本当にパフォーマンス向上に寄与していると思いますか?」
この質問に「はい」と答えた方は、
もしかするともっと効率の良い方法があるかもしれません。
下記の本をぜひお読みください。
この質問に「いいえ」と答えた方は、
しっかりとその理由を簡潔に説明できますか?
下記の本を読めば、より鮮明な理解を手に入れることができるかもしれません。
今回はこの「ランナーのからだのなか」を
読んでの感想を記事にしたいと思います。
目次
本の書評
本全体として、
高強度トレーニングの重要性を書いているなと感じました。
昨今のトレーニングやトレンドやSNSのバズなどでは、
低強度や頑張らないトレーニングが大事だと言われています。
確かにもっともらしく、聞こえは良いのですが
果たしてその言葉をそのまま受け取ってしまっていいのでしょうか?
この「ランナーのからだのなか」では、
このような事実のように思えるけど…
実際はエビデンスレベルではどうなのかをまとめた内容となります。
自身のトレーニングや
本を読んだ感想を踏まえると、
ラクなトレーニング・頑張らないトレーニングの「本当の意味」を間違えてしまうと
マラソンや競技の成績は向上しないと思います。
いや、向上しないことはないかもしれませんが、
成長スピードが明らかに遅くなると感じます。
これは筆者の経験からも感じます。
大迫傑選手もXにてこのように発信しています。
楽しいは好きだけど、楽という言葉が嫌いで、「楽して速くなれるメソッド!」とか謳ってるのをみると、「これをするだけで資産倍増!」とプロフィールに書いてる人と同じくらい胡散臭くみえる。
基本的にGo Harder Or Go Home の精神!その上での効率化!
古い?笑
— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) August 25, 2023
頑張らないトレーニングの真意とは何か?
SNSの普及や共感性のトレンドなどもあり、
ラクに速くなる方法というコンテンツが多く出回りそれがあたかも正しいものと
なっているような気がします。
筆者も、間違ってはいないと思います。
筆者もトレーニングでは「(今のきつさをどうしたら)ラクに走れるのか」を常に考えながら走っています。
しかし、「ラクなランニング・ラクなトレーニング」ということを
間違った捉え方をしてしまうと、
全く違う方向に進んでしまうと感じます。
「悪い」頑張らない・ラクとは何か?
筆者の考える悪い頑張らないは以下のことです。
・マラソン・長距離=有酸素運動=ラクな運動
・ラクな運動しかしない
・ラク=キツくない、と勘違い
ラクな運動や、頑張らないランニングは必須です。
毎日、きついトレーニングしていては怪我をしてしまいます。
しかし、ラクな運動だけで本当に長距離マラソンが速くなるのであれば
誰もがマラソンで結果を残していると思います。
ですので「ラクや頑張らない=キツくない」ではないのです。
「良い」頑張らない・ラクとは何か?
では「頑張らない・ラクに」の正しい理解はどう言ったことかというと、
・決めたペースがラクにこなせるようになること
・疲労の限界までトレーニングしないこと
・怪我をするほどやらないこと
・ガムシャラな動きで走っていないこと
この辺りが、大事なポイントであるといえます。
がむしゃらもたまにはあり?※こちらの動画で語っています。
この違いを意識してトレーニングを行うことが重要であるといえます。
筆者も自身のトレーニングを振り返った時に
やや「頑張らないトレーニング」を間違って解釈していた部分もあったように思います。
というより、人間誰もが最もらしい大多数の意見に流されるなあ、と感じました。
そういった意味ではこの本を読めてよかったなと思います。
本の内容
本全体を通して高強度の重要性を書いてあります。
一部抜粋して紹介します。
・LSDや走り込みは必要か?
この内容では、ミトコンドリアの酸化能力の向上について書いてありますが、
低強度高ボリュームでも、高強度低ボリュームでもどちらでも、
この能力は向上することは知っている方も多いと思います。
トップアスリート(本ではキプチョゲ選手を例に)が、低強度が多いことを採用しているのは
トレーニングに割ける時間が多いからと、この本には書かれています。
市民ランナーの場合、高強度トレーニングで効率良くこなすことが良いのかもしれません。
ミトコンドリアの能力は低強度だけでは頭打ちになる?
ゆっくりジョグはミトコンドリアの能力を向上することはランナーの皆さんは周知かと思いますが、
この能力に関しても高強度トレーニングの方が効率がいいかもしれないと本では書かれています。
ランナーのからだのなか、では「ラク」の本質を気づかせてくれる
頑張らないことは重要です、
しかし、マラソン大会やレースで頑張らないでいいような体を作るためには
頑張ってその体を作る必要があります。
それがトレーニングだと筆者は思います。
じゃあ毎日がんばればいい!と言っているわけではありません。
トレーニングには適応することが必要ですし、
適応には時間がかかります。
この辺りの塩梅が難しいのが長距離マラソンなのだなとしみじみと感じております。
▼筆者もこの辺りの線引きが下手で怪我をしてしまいました。笑▼
ということで筆者はこの本で、トレーニングの本質を再認識することができました。
ぜひ気になる方は読んでみてください。
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