【具体的メニュー有】サブ3確実!レース9〜6週間前のマラソン準専門トレーニング
・サブ3を達成したいけど…取り組み方がわからない…
・実際に自身のトレーニングのやり方は合っているのか…
・正しく効率よくトレーニングを行いたい!
一般的にサブ3は非常に難しいタイムだと考えている方が多いです。
実際、サブ3達成者はマラソン人口の3%とも言われており、とても狭き門です。
ですが、正しいトレーニングを知り、正しく行えば全く難しいタイムではないと思います。
こちらの記事では、サブ3を達成するためのトレーニングプログラムを
できるだけわかりやすく解説し、
実際に達成するための4ヶ月のトレーニングプログラムを解説します。
目次
トレーニングは期分けを行う
期分けとは、マラソンに必要な各能力を期間を設けて取り組むことです。
マラソンサブ3とは、42kmを 1kmあたり4分15秒で走り切ることで達成することができます。
これはどのようにして達成できるのでしょうか?
4分15秒/kmで42km走ると考えると、非常に難しい考えのような気がします。
しかし要素を分解してみると達成できない目標ではないのです。
サブ3達成の要素を分解すると、
まずはやはり42km走り切れる体力が必要です。「持久力」と呼ばれるものです。
そもそも 1km4分15秒で走るための「スピード」の余裕度が必要です。
そして最終的には 1kmあたり4分15秒で走り続ける「スピード持久力」が必要となります。
この要素を期間を設けて取り組み、レース前に42kmを4分15秒で走れる状態を作ることが期分けです。
要は、「スピード」という基礎、「スタミナ」という基礎をそれぞれ向上させ、
最終的にコーディネーションするように行います。
なぜ期分けは4ヶ月なのか?
4ヶ月 1サイクルで行う理由は下記3つの理由からです。
- ・マラソンにはシーズンがあること
- ・トレーニング効果のプラトー
- ・飽きること
まず、第一にマラソンにはシーズンがあること
第二に長くやればいいというわけではなくトレーニング効果がプラトー(限界)に達する可能性があること
第三に飽きること、
このあたりがありますので4ヶ月(各期間1ヶ月〜2ヶ月間くらい)と筆者は考えています。
・マラソンにはシーズンがある
マラソンは日本のレースに限ればほとんどが冬に開催される競技です。
春秋はトラック種目(1500mや5000mなど)がメインで開催されますし、
夏には、原則大会は開催されません。
基本的には、夏はトレーニングに打ち込み、秋にトラック種目に出場し
徐々に距離を伸ばし冬のマラソンにシーズンインという形が一般的です。
となれば、夏に基礎を積んで冬のマラソンに向かうと考えると
8月〜11月の4ヶ月でトレーニングを組むのが理想かと思います。
Tips筆者は11月のレースに完全に仕上げる、
というよりは8割くらいで仕上げて
そのまま翌3月まで続くシーズンの中で
最大のパフォーマンスをあげていくという形で取り組んでいます。
・トレーニング効果がプラトー(限界)に達する
マラソンにおいて必要な能力は、
- ・ Vo2max(最大酸素摂取量)
- ・LT値(≒AT値≒VT値)
- ・ランニングエコノミー(走りの経済性)が挙げられます。
それぞれの能力の向上がマラソンを速く走るためには必要なのですが、
やればやるほど能力が上がるというものではないと考えています。
これは上記に挙げた能力の向上に必要な要素(筋力や解糖系)の能力の限界も考えらるからです。
各能力の適応はおおよそ1ヶ月ほどで一時的にプラトーに達すると思いますので、
鍛え終わったらあとは維持するのみで十分であると言えます。
※シーズン終了とともにまた基礎から鍛えて一段上の限界値を作るイメージとなります。
トレーニングに飽きる
同じようなトレーニングでは主観的にも飽きがきますし、
トレーニング効果は直線的ではなく収穫低減的です。
自分自身が長年取り組んだ感覚としてもおすすめなのは
一つのセグメンテーションを 1〜2ヶ月程度行うのが
一番取り組みやすいと感じています。
10〜6週間前は基礎と特異の橋渡しのトレーニングを行う【準専門期】
レースの18〜10週間前(おおよそ4ヶ月前)には基礎トレーニングを行なってきました。
▼基礎トレーニングはこちら▼
この基礎期間の時点では、フルマラソンを3時間で走れるイメージはまだまだないと思います。
トレーニングは基礎がメインで、サブ3という作品を作るためのパーツを作っていた段階です。
最終的にはこのパーツを組み立てレース本番にお披露目をするのですが、
この作品を組み立てていく必要があります。
期分けのイメージ
イメージ的には、
“基礎”はパーツを作る期間、
今回紹介する”準専門期間”は組み立て作業
“特異期/専門期”は作品の色付けなどの最終調整、
“テーパリング期間”は、つけた色を乾燥させる期間、
レース本番はお披露目会となります。
レース前の1ヶ月くらいまでには、
20km程度はレースペースでは走れるようにしておきたいですし、
35km以上のロング走もレースペースの90%ではこなせるようにしたいです。
準専門期間では、
基礎期間のトレーニングと専門期間のトレーニングとの乖離を埋めていくような
橋渡しのトレーニングを行います。
どのくらいの期間行うべきか?:レース10〜6週間前の1ヶ月間
目標レースの10〜6週間前に行います。
長く行いすぎるとマンネリしすぎてトレーニングに飽きがきます。
長く行っても能力の伸びが緩やかになり、
トレーニング効果のコスパが悪いです。
あくまで橋渡しですので、グラデーションがきれいにできそうであれば
すぐに2週間ほどで次の特異期に移ってもいいでしょう。
基礎期のロングランはペースをあまり決めずに(目安は5’30/km)行いました。
専門期(特異期)では、4’40/kmでは行いたいわけです。
この期間は余裕を持ちながら、徐々に徐々にペース設定を引き上げていきます。
準専門期間の具体的トレーニングプログラム
具体的なトレーニングの提案は下記の通り。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 週走行距離 | |
9週前 | オフ | イージーラン | LT2走 | イージーラン | イージーラン | テンポラン | ロングラン(5’20) | 100% |
8週前 | オフ | イージーラン | Vo2MAXトレ | イージーラン | イージーラン | イージーラン | ロングラン(5’10) | 100% |
7週前 | オフ | モデラートラン | LT2走 | イージーラン | イージーラン | テンポラン | ロングラン(5’20) | 110% |
6週目 | オフ | イージーラン | LT2走 | イージーラン | イージーラン | イージーラン | ロングラン(5’00) | 90% |
LT2(OBLA)のトレーニングが基本となります。
また、週末のロングランは徐々にペースを上げて上げていきます。
基礎期間はゆっくりジョグ、特異期は4’40/kmですので橋渡しです。
モデラートランのバリエーション
モデラートとはイタリア語で中くらいの速さという意味。
つまり、ゆっくりジョグではないけど、マラソンペースやLTのようなきついペースではない、
語源の通り中くらいの速さです。
ジョグが6’00/km、マラソンペースが4’15/kmならその間くらいの強度です。
トレーニングの密度を上げて、週全体の負荷を上げているような感じとなります。
特異期ではこのモデラートランは少なくなり、特異的なトレーニングに集中して行うようにしていきます。
Vo2MAXトレーニングのバリエーション
この強度は3000mのレースペースでのトレーニングとなります。
基礎期はメイントレーニングでしたが、準専門期では補助的に行います。
月に1回、能力の維持くらいのイメージで行います。
強度は3000mのレースペース程度ですが、当日3000mを1本走るとしたら
このくらいかな、という強度で行ってもいいでしょう。
疾走区間は最大でも5000mとし、インターバルで行います。
レストは疾走と同じ時間確保します。
トレーニング提案1000m3本、1600m3本、2000m+1000m、400m10本など
Vo2MAXの詳細はこちら:Vo2max理論と実践
LT走のトレーニングバリエーション
LT走のペースは、おおよそ3’55〜4’20/km前後となります。
LTは乳酸性作業閾値のことで乳酸が溜まり出すタイミングです。
ランニングの強度が上がると乳酸が徐々に蓄積し始めますが、
この乳酸が蓄積し始めたあたりを「LT 1」、
そこからさらに強度を上げていくと乳酸が再度急激に上がり始めるタイミングがありますが、
この急激に増え始めるタイミングを「LT2」と呼びます。
速度でいうと、解糖系<Vo2MAX<LT2(≒OBLA)<LT1となります。
そして個人差もありますがLT2とLT1の間にマラソンペースがあると思います。
このLT1、LT2の向上がマラソンサブ3達成に欠かせないものとなります。
LT1とLT2は、上記で説明した通りペースが若干違ってきます。
サブ3を狙うには、
LT2はおそらく4’00/kmくらいとなり、疾走時間は長くても20〜30分程度
LT1がおそらく4’10〜20/kmくらいとなり、疾走時間は60分程度となります。
この準専門期にはLT2をメインにトレーニングを行います。
LTについてのより詳細な内容はこちらをご覧ください:LTの理解
上記のペースであればインターバル形式の分割走でも、持続走でも
生理学的に得られる効果は変わらないと言われています。
(注意すべき点は分割するときにはレストを取りすぎないこと。
目安は1kmにつき1分程度です。)
ポイントとしては、初期期間は分割して行い
徐々に仕上がりを感じながら持続走にしていくことです。
トレーニング提案・1000m10本r1分:4’00〜3’55/km
・2000m4〜5本r2分:4’05〜4’00/km
・3000m4本r3分:4’05/km
・10000m:4’05〜4’00/kmなど
テンポランのバリエーション
テンポランの目的は有酸素能力の向上となります。
上記で説明した「LT値」と言われる乳酸を再利用する能力を高めることを目的とします。
決められた時間や距離を当日の調子を踏まえて最後まで持つであろうペースで行います。
サブ3を目指す目安としては4’20〜3’55/km程度だと思います。
主観的強度としては、
前半はある程度喋る余裕があるが後半にかけて走りに集中していないとペースを維持できない、強度です。
LT走とテンポラン
LT走とテンポランの明確な違いはありません。
強度もほぼ同じです。
ただ、筆者的にこの二つを分けているのは理由があって分けています。
両者の違いはペースをその日の体調に合わせるかどうか、です。
LTというのはだいぶその日の調子や疲労に影響を受けるもので、
目安はおおよそ最大心拍の80%程度です。
最大心拍は220ー年齢でおおよそ分かりますので、30歳であれば最大心拍は190。
この80%ですので、LTでの心拍は152です。
この目安通りに行いすぎると、ふつうに4’30/kmとか4’40/kmとかにもなりかねません。
LTの向上は理論的には、調子に合わせるのがオーソドックスな方法ですが、
それではいつまで経っても目標のペースに辿り着くことができないと思います。
ある程度その日の調子で設定の変動は必要ですが、
目標であるサブ3から逆算して、
この時期に入れるべき強度を適宜入れるようにしたいところです。
ですので、目標LTでのペース範囲を決めた「LT走」
その日の感覚で心拍などの利用した「テンポラン」と分けます。
トレーニング提案
・8〜12kmテンポラン
※短いほどペースが速く、長いほどペースは遅い
ロング走のトレーニングバリエーション
最低25kmをロングランとし、最大180分(おおよそ36km)
ペースは5’20〜5’00/km程度とします。
ロング走はフルマラソンにおいて最も重要なトレーニングです。
上記での説明しましたが、この期間は基礎と専門の橋渡しの期間です。
基礎はペースをあまり決めずおおよそ5’30/kmかからないくらいとしました。
1ヶ月後には4’40/kmで行えるようにしていきたいわけですので
この期間は5’20〜5’00/km程度でおこわえるといいと思います。
前日にテンポランを行う際は設定ペースをやや緩くしセット練習に、
前日イージージョグでつなぎフレッシュな状態で行う際は
ロング走の強度は高く設定し、5’10〜5’00/kmとしています。
まとめ
以上、サブ3達成のための2ヶ月間の準専門トレーニングについて解説しました。
最後にお知らせです。
今まで、いくつものテキストやwebメディアで学んだつもりになっていませんか?
実際結果につながりましたか?
トレーニングはある程度、お手本のような体系があります。
しかし結果が出る人と出ない人が分かれるのはなぜでしょうか?
最も大きな理由は「継続できない」です。
いつでも誰でもできるが故に、反面トレーニングしない選択をしやすい種目でもあります。
「今日はジョグでいいや…」
「きついトレーニングは避けよう…」
ランニングクラブではみんなが毎日トレーニング結果を共有し、全国どこにいても
モチベーションをもらうことができます。
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・目標を一緒に目指す仲間ができる
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たくさんの方がこのクラブに入部し、自己ベスト更新をしています。
下のリンクよりぜひ入部ください。
\2時間16分台からサブ4まで幅広く在籍!/
▼移行期のトレーニングを終えたら次のプログラムへステップアップします▼
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