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【全レベル対応】3000mで自己ベストを更新する方法

 

今回の記事では

3000mのパフォーマンス向上方法を解説します。

 

トレーニングの期分け

まずはトレーニングの期分けを考え

プログラムを作成するようにしましょう。

なんとなくその時に行いたいトレーニングを行っていては

絶対にタイムは向上しません。

 

期分けの重要性は様々な観点から考えても重要な考え方ですが、

ミトコンドリアの機能性を向上させる、

ということからも重要になってきます。

ミトコンドリアの機能性の高さは有酸素スポーツにおいて、

大きな指標の一つになります。

 

そのミトコンドリアの強化には

トレーニングの量と強度が関係してきますが、

量のみ(例えばゆっくりの走り込み)での強化は

頭打ちが早いとされています。

熟練されたアスリートでは量のみでの強化ではなく強度を重視した

トレーニングでミトコンドリアを強化する必要があります。

(詳しくはこちらの記事(別記事)を確認ください。)

 

こういった観点から考えても、

量を増やして、

のちに強度を高くする

といったトレーニング方式は

理にかなっていると言えます。

 

筆者
期分けは走り込みから始める!

 

 

3000mという種目

3000mという種目については

中学生にとっては長距離種目の花形種目、

高校生になると3000mという公式戦はグッと減り、

大学生になると主戦場はハーフになります。

社会人ではマラソンに取り組むようになるでしょう。

 

専門としている種目から

3000mという種目を考えると捉え方は大きく変わります。

しかし、

時間で考えると競技の特性は皆一緒になります。

 

3000mはおおよそ

8分〜12分程度を全力で走り切れる強度

となります。

 

名前
これはおおよそVo2maxでの運動強度といえます。

 

個人的には、

極論Vo2max強度のトレーニングとその向上が最も重要だと思います。

そしてこのVo2maxの向上のためには、

その上下の強度、

解糖系や乳酸系を強化する必要があり、

順々にトレーニングを特異性を持たせていく必要があると考えます。

 

▼ Vo2maxについても理解はこちらの記事をご覧ください▼

【 Vo2maxの正しい理解】

 

記録を狙うにはトレーニングの期分けを行う

期分けを行うべき理由は上で述べたとおりです。

 

期分けはレースまでのピーキングを考えながら行います。

・準備期間である「基礎トレーニング」、

・専門機関である「特異的トレーニング」、

・テーパリングを行う「調整」、

これらを全ての流れを含めて「ピーキング」といいます。

 

基礎期間には、スピードと持久練習を積極的に取り入れます。

ここでのスピード練習とは解糖系やATP -CP系代謝のことを指します。

もう少し簡単にいえば、

3000mよりも速いペースで行う練習から、

10秒にも満たないスプリント練習、

ジャンプトレーニングであるプライオメトリクスのことです。

高負荷低回数なウェイトトレーニングもここに含んで考えてもいいでしょう。

 

 

持久力においては、

3000mのレースペースよりもより遅いペースでの

ランニングのことを指します。

 

スピード、持久力どちらもそうですが、

より3000mのRPよりもかけ離れた強度帯は

基礎に近く、RPに近いほど3000mの特異性に近いといえます。

 

そして基礎トレーニングではこの特異性からかけ離れた部分から

トレーニングを積み上げていくことを推奨します。

 

トレーニングは広い一般性があるからこそ、

その上の特異性は高い頂点を作ることができます。

(ピーキング)

 

3000mにとっての基礎

3000mの基礎トレーニングを紹介します。

トレーニングの基本形は、こんな形でしょうか。

曜日 トレーニング 他案 強度 %レースペース 目的
レスト リカバリー
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
400m*10 r2′ 1000m*3 r:3′ 高強度 95~100%RP Vo2max,RE
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
坂ダッシュ 200m*6 r4′ 高強度 120%~RP 解糖系・神経系
30分テンポ走 中強度 80%RP スピード持久力
60分ジョグ 中強度 60〜70%RP スタミナ養成

 

スピードの基礎:解糖系、 Vo2max(最大酸素摂取量)

3000mの基礎では解糖系のトレーニングが必要です。

また、パフォーマンスの伸びに行き詰まったら

「神経系のトレーニング」を行うべきです。

 

筆者
プログラム内の赤文字がこのトレーニングとなります。

 

解糖系は、30秒程度の全力スプリントの運動強度です。

おおよそ200mとなります。

トレーニングのポイントはスプリントであること。

そして、乳酸を再利用するトレーニングではないので

レストはしっかりと取ること

乳酸を走りながら除去、ではなく、

乳酸を出して走る、ことが重要です。

 

また3000mのパフォーマンスを向上させるには、

Vo2maxの向上は欠かせません。

また Vo2maxで走れる速度であるvVo2maxの向上を図る必要があります。

そのためのトレーニングとして、

現時点での3000mのRPを元にインターバルを行います。

 

レースペースをよりラクに走れるように、

力まず、がむしゃらに行わず、

リラックスしてRPという高出力を出せるように行います。

 

Vo2maxやvVo2maxの正しい理解はこちらの記事を確認ください。

 【Vo2maxを向上させる正しいトレーニング】

【 Vo2maxではなくvVo2maxを高めなければ速くなれません】

 

スタミナの基礎は60分ジョグ

トレーニングプログラム内の青文字がスタミナの基礎にあたります。

スタミナにおいては、

走れる分にはどれだけでも走ってもいいとは思いますが、

強度の高いトレーニングに干渉しないようにします。

 

筆者
走りすぎてスピードを出すトレーニングが疲れてできないということがないようにします。

 

また、スタミナにおいても特異的に移行していきます。

ゆっくり長く走る持久力から、10分程度を目標ペースで走るスピード持久力へ

グラデーションしていきます。

 

そう考えると、

120分走のスタミナから10分のスタミナ(3000m走る時間)まで

グラデーションするのも大変ですので、

60分も走れていれば十分でしょう。

 

※そこまで長くもないですので、そこそこ強度を持って行うようにします。

3000mを狙うだけであれば、60分程度のロングジョグを

レースペースの60〜70%程度で行う、やや速いペースでのジョグを行います。

 

生理学的に言えば

LT(乳酸性作業閾値)の向上を狙ったトレーニングとなります。

LTについてより詳細な解説はこちらの記事をお読みください。

【LTは20分の閾値走を行うだけではありません。LTの正しい理解】

 

 

基礎に取り込む期間

取り組む期間の目安は1〜2ヶ月程度です。

程度としたのは、個別性があるからです。

  • ・目標レースが決まっている。
  • ・行う中でなかなか適応が進まない

 

目標レースの日程が決まっている場合、レースから逆算すると

次の「特異期」に進まざるを得ないかと思います。

そうなると、基礎期間をずっと行うこともできません。

 

また、逆に適応が進まず、ラクになっていく感覚がないこともあります。

例えば、1000m3本のインターバルトレーニング。

基礎では、レストを長く設定していますが適応が進むにつれて

特異期では、レストは可能な限り短くしていきレースの再現性を高めていきます。

 

基礎期では、ラクにこなすことが重要ですが、

このラクさに適応できずに特異期には移行しづらいですので、

少し長く行うべきです。

 

基礎期間を終えたら、次は特異期へ移行します。

名前
徐々に移行します!インターバルのレストを徐々に縮めたり、インターバルの距離を少し長くしたりしていきます。

 

 

 

3000mにとっての特異性

3000mの特異的トレーニングを紹介します。

トレーニングの基本形は、こんな形でしょうか。

 

3000m特異
曜日 トレーニング 他案 強度 %レースペース 目的
レスト リカバリー
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
1000m*3 r:1′ 2000m+1000m 高強度 95~100%RP レース再現
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
400m*5 r2′ 800m*3 r2′ 高強度 105%~RP vVo2max,RE
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
20分テンポ走 4000~5000m走 中強度 85〜90%RP スピード持久力

 

スピードの特異性: 再現性

3000mにとっての特異性のあるスピードトレーニングは、

レースペースでの反復走です。

1000m3本レースペース前後となります。

レストは徐々に短くしていくように行います。

 

筆者
基礎と特異の違いはレストの取り方が大きい!

 

最初は疾走速度と同じ時間レストをとって行い、

トレーニングのプログラムが進むにつれて

徐々にレストを短くして特異的にしていきます。

 

スタミナの特異性

スタミナに関しては徐々に距離を短くして、

代わりにペースを少しずつ速めていきます。

最終5000m程度を目標レースペースの90%程度で行うようにします。

こちらも徐々に質を高めていきますので、

基礎期間では30分のテンポ走をレースペースの80%で行っていたものを

徐々に、20分(or5000m程度)をレースペースの90%程度まで仕上げていきます。

スピード面と同様、徐々に強度を高めていきます。

 

特異期の取り組む期間

1ヶ月程度行って調整期間(レース期間)に入ります。

この期間は長すぎてもピークアウトしやすい気がします。

基礎で鍛えた能力(スピードとスタミナ)を合わせるイメージで行います。

 

調整期間(レース期間)

レースに出場していきます。

選手権ではない限り連戦することになると思いますので

レースの中で調整を行います。

 

トレーニングの質を落とさずに量を減らす(テーパリング)ことが重要です。

筆者の経験から、

3000mであれば長いテーパリングは

逆にパフォーマンスが低下していく感覚がありましたので

レース週にいつものより少し軽くする程度

一番パフォーマンスが上がる感覚があります。

 

テーパリングについてより詳細に解説した記事はこちらをお読みください。

【テーパリングの深い理解「フィットネス疲労理論」】

【正直、月間200kmではテーパリング不要です!】

 

ここでは2週間のレースサイクルで紹介します。

3000m2週間レースサイクル
曜日 トレーニング 強度 %レースペース 目的
レスト リカバリー
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
1000m*3 r:1′ 高強度 95~100%RP レース再現
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
400m*5 r2′ 高強度 105%~RP vVo2max,RE
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
60分ジョグ 中強度 50%RP 有酸素向上
レスト リカバリー
30分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
5000m走 中強度 85~90%RP スピード持久
25分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
20分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
20分ジョグ 低強度 50%RP リカバリー
レース 高強度 100%RP Race

 

 

2週に一回レースに出場します。

レースに出る週は、レースの強度(100%RP)は入れずに、

やや長い距離をやや遅い程度のテンポ走を行います。

 

レースのない週はRPのトレーニングを入れつつ、

やや週末にやや長めのロング走(60分程度)を行います。

 

 

筆者の経験

筆者自身は3000mのベストは8分28秒です。

これはトレーニングの延長で出したタイムですので

おそらく、記録を狙って走ろうと思えば8分19秒は出せると思います。

 

そしてこれは高校で陸上競技を辞めて、

10年後に市民ランナーとして走り始めてからの記録です。

しっかりとトレーニング理論や運動生理、解剖を理解してトレーニングを行うことができれば

必ずパフォーマンスは正しく向上します。

 

ぜひトレーニングを正しく理解し正しいトレーニングを行なってください。

 

 

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