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【23年最新】フルマラソンサブ3.5を達成する3ヶ月の練習メニュー公開【専門期】

フルマラソンでサブ3.5を達成したいランナーさんはとても多いと思います。

当記事では3ヶ月で【サブ3.5】を目指すための練習を解説します。

 

ランナー人口の上位○%と言われるのが

このサブ3.5ですので

相当な上位層のタイムであることがわかります。

また、この辺りからランニング初心者を脱却し、

サブ3を目指せるようになってきます。

 

サブ3.5を達成するためにはこちらのペースで走り切ることが必要です。

距離 タイム
1km   4’58
5km   24’52
10km   49’45
15km  1:14’38
20km  1:39’31
25km  2:04’24
30km  2:29’17
35km  2:54’10
40km  3:19’03
ゴール  3:29’59

 

門下生
5km…10km…くらいならいけそうな方も多いのではないでしょうか

 

この、ランナーの憧れでもあるサブ3.5を達成するにあたり

大事なポイントを3つ解説し、

3ヶ月間のトレーニングメニューを考えたいと思います。

 

この記事を読んで欲しい人

マラソンサブ3.5を目指している人

 

トレーニングを効率よく行いたい人

 

 

このブログの根拠

山田祐生
【プロフィール】
・高校時代陸上部(目立つ成績はありません泣)からブランク10年
・フルマラソン:未経験➡︎2時間17分台
・5000m:14分28秒、10000m29分52秒
全ての記録をセルフコーチング。

 

重要ポイント①期分けの重要性

期分けとは、マラソンにおける必要な各能力を

分けて集中的に鍛えることです。

マラソンを速く走るために必要な能力は下記3つです。

 

マラソンを早く走るための3つの要素

・最大酸素摂取量

 

・乳酸性作業閾値

 

・ランニングエコノミー

 

 

これらを向上させることがマラソンサブ3.5達成する近道となります。

それぞれ簡単に説明すると

 

最大酸素摂取量の向上

息が荒れるペースで走れる距離を長くできます。

酸素をエネルギーに変えることで長く効率的に走ることができます。

しかし、この酸素を使う仕組みは、ペースが上がるほど使えなくなってきます。

 

単純に…

200m全力で走ると呼吸が荒れると思います。

 

この200mのぺースであと5分走ってくださいと言われても

 

走れないと思います。

 

呼吸が荒れるということは、身体が酸素を欲している

 

つまり、酸素をエネルギーに変える能力では

 

追いつけていないのだと思います。

 

 

 

乳酸性作業閾値(LT値)の向上

ゆっくりと走り出し、徐々にペースを上げていくと

乳酸が急激に溜まりだすペースがあります。

この乳酸が急激に溜まり出すポイントをLT値と言います。

LT値を超えて走ると乳酸を処理できなくなり、走り続けることができません。

 

逆を言うと、LT値を超えなければ延々に走り続けることができます。

筆者
とはいえ、永遠に走り続けるためには筋持久力も関係します
ランニングエコノミーの向上

ランニングエコノミーは

あるペースに対する酸素消費量で決められます。

 

ランニングエコノミーを向上させることで

そのペースに対してエコに走れるようになります。

 

1km3分で走る時に

酸素消費量が少ないランナーと

酸素消費量が多いランナーでは

消費量の少ないランナーの方がエコに走れていると言うことです。

 

 

これら3つを向上させることがマラソンでサブ3.5を達成させるために必要です。

これらの能力は、

トレーニングを行うことで向上していくのですが、

一回のトレーニングでの向上は、ごく微量です。

繰り返し行うことで、少しずつ少しずつ体に適応していきます。

(トレーニングの原理【反復性の原則】)

 

また、鍛えてからはその能力が永遠に獲得できるかというとそうではなく

日が経つにつれて衰えていきます。

(トレーニングの原理【可逆性の原理】)

 

回数を重ね、反復し、トレーニングを継続することで

能力が徐々に向上していきます。

反復することで向上されるので

これらの能力を期間を分けて集中的に鍛えていきます。

 

【期分け】の考え方をより深く学びたい方はこちらの本をお読みください

 

重要ポイント②距離耐性

上記の運動生理学的な能力も大事ですが、

それだけではマラソンを走り切ることができません。

3時間半走り続けることになるので、

足の筋持久力が必要です。

この距離を走ることができる筋持久力をつける方法は

長く走るトレーニングで養うことができます。

 

これはトレーニングの原理原則である【特異性の原理

からも言えます。

 

一回で長く走る量を増やす必要があります。

ジョグ時間(分)
ジョグ時間(分)
60 30
60 90
60 30
60 90
60 30
60 90
トータル 360 360
マラソンを走れる可能性が高い

 

極端なわかりやすい例は上記の表の通りです。

週6日走る人がいたとします。

週6日毎回60分しか走っていない人と、

週3日は30分、週3日は90分走る人では

やはり後者の方が長く走ることができます。

90分走ることに体は適応できているからです。

 

名前
長く走れる力は長く走ることで養う事ができる!

 

重要ポイント③体の使い方を学ぶ

体の柔軟性が高い方が

マラソンを効率よく走る事ができます。

理由は、股関節の曲げ伸ばしが大きい方が

一歩のストライドが伸びるからです。

 

そしてこの体の柔軟性は大人になるにつれて

凝り硬まってきてしまいます。

 

硬まってしまった体は、動かせませんので

段々と体の動かし方がわからなくなってしまいます。

 

この記事をお読みいただいている方は、

大人になってから市民ランナーとして走っている方が

多いと思っております。

 

青年期に比べ、年齢を重ねるごとに

柔軟性や体の使い方などは

獲得しづらくなりますので、

ただ走っているだけでは柔軟性は身につきません。

 

 

柔軟性や体の使い方を

坂ダッシュがおすすめです。

坂ダッシュを行う事で、上半身と下半身の連動性を高めることができます。

 

【基礎】を終えてから【専門期】のトレーニングを行う

 

以上を踏まえて、3ヶ月間のトレーニングは以下のように行います。

レース3ヶ月前は、

怪我をしない体を作りつつ、効率の良い走りをするための【基礎作り・足作り】

 

レース2ヶ月前は、

必要な心肺機能を高めるための

【専門トレーニング】

 

レース1ヶ月前は、

マラソンレース仕様の体を作る時期なので【調整期】となります。

 

今回の記事ではマラソンレース2ヶ月前に取り組むべきトレーニングとして

1ヶ月間の【専門トレーニング】を解説します。

 

この専門トレーニングは、【基礎トレーニング】を終えていることが条件となります。

上記に示した期分けの重要性を踏まえて、まだ【基礎】を終えていない方は

下記記事をお読みいただき、実践してから

こちらのトレーニングを行なってください。

 

【23年最新】フルマラソンサブ3.5を達成する3ヶ月の練習メニュー公開【基礎期】

 

 

具体的トレーニングメニュー

具体的なトレーニングメニューとしては下記の通りです。

紹介するトレーニングを組み合わせて、

偏りを作らず全面的に取り入れていきます。

 

例えば、マラソンは長く走る競技だからとロングジョグのみ行っていても

記録は思っているほどは伸びないと思います。

トレーニングには全面性が必要です。

バランス良く取り入れていきます。

 

基礎期に取り入れるべきトレーニング

・1000m10本インターバル

 

・800m10〜15本インターバル

 

・120分以上のロングジョグ

 

・マラソンペース走20km

 

・つなぎジョグ

 

 

1000m10本インターバル

目的:マラソンペース走に余裕を持たせる

頻度:週1回程度

ポイント:

マラソンサブ3.5のペースが4’58なので

それよりも少し早い1km4’48で前後で行います。

休憩は90秒ジョギングを行います。

立ち止まらず、動きながら体力を回復させてください。

 

800m10〜15本インターバル

目的:マラソンペースへの適応、LT値向上、Vo2max向上

頻度:週に一回

疲労が溜まっていない日に行います。

ポイント:

800mをある程度のスピードで走り、200mを少し落とします。

800mの設定タイムは3分45秒です。(1km換算だと4’41/km)

200mのジョグは1分15秒です。(1km換算だと6’15/km)

1セットトータルで1000mになり、そのタイムが5分00秒です。

名前
およそサブ3.5のマラソンペースです!

このペースラインで徐々にペースを上げていき

10〜15本行います。

・最初の5本は800m3’45、200m1’15

(1000m5’00)

・中間の5本は800m3’40、200m1’15

(1000m4’55)

・最後の5本は800m3’40、200m1’10

(1000m4’50)

 

こうすることで、

マラソンペースへの余裕度を作りつつ

徐々にペースを上げていくことで

LT値あたりから走り、刺激を入れつつ、

後半設定を引き上げることで

最大酸素摂取量まで刺激することができます。

 

 

150分以上のロングジョグ

目的:マラソンにおけるレース時間を再現

頻度:隔週1回

ポイント:

150分5’30/km〜プラスアルファで時間を伸ばす。

マラソンを走り切る時間を走ります。

マラソンは競技の特性的にも、

レース後半の落ち込みを防ぐことが

サブ3.5を達成する最善の対策となります。

 

レース後半、30kmくらいから足が攣って走れなかった

レース後半、30kmくらいからペースを守れなかった

レース後半、30kmくらいから足が回らなくなった

 

マラソンにおいて、たいていの失敗談は上記のように

後半の力不足です。

 

サブ3.5で30kmというと

大体2時間30分程度です。

この経過時間以降、身体に不調が出てきているのです。

 

であれば、トレーニングからこの時間以上走るトレーニングは

最も有効であると思います。

この時間(2時間半)以降、気持ちよく走れることを

再現していきます。

ですのでペースはマラソンペースよりもずっと遅くて大丈夫です。

マラソンペースよりも30秒程度遅い、5’30/kmで行います。

このペースで150分行います。

 

追加ポイント

ここで余裕を残して終えてもいいのですが、

このトラブルが起きがちな150分から

ビルドアップしてマラソンペースに近いところで走ると

よりレース後半で余裕を残す

イメージがつきやすいです。

 

 

 

マラソンペース走20km

目的:レースペースへの適応

この練習を本番までに何本できたかでレース結果が変わります。

最低でも2回は行えておくことが理想です。

頻度:隔週1回

150分以上のロング走と隔週で行います。

1ヶ月間の専門期ですので、150分以上のレースタイム走を2回、

20kmのレースペース走を2回は行います。

ポイント:

サブ3.5ですのでペースは1km4’58で行います。

ポイントは最後まで余裕を残すことです。

きつく追い込むトレーニングではなく、余裕を残すことです。

マラソン本番余裕を持って走るためには、

普段のトレーニングから余裕を持って走る再現をすることが大切と言えます。

 

つなぎジョグ

目的:基礎能力の向上、トレーニング全体での走行距離獲得

頻度:上記トレーニングを行わない日

ポイント:

怪我をしない体を作るにはゆっくりとしたジョグ(基礎)が必要不可欠です。

また、上にあげたトレーニングを効率よく行うためには

つなぎのジョグが必要不可欠です。

たいていの場合、マラソンペース走などのポイントとなる練習は、

多くても週に2回程度となります。

その他の日には、疲れない身体を作るため、次のポイント練習までつなぎのジョグを行います。

ペースは指定はありません。

走りで体力を充電するように行います。

 

具体的トレーニングスケジュール

具体的な1週間のトレーニングスケジュールを記載します。

 

曜日 メニュー ペース目安
オフ
つなぎジョグ60分 Free(目安:6’00)
1000mor800mインターバル 上記で確認
つなぎジョグ60分 Free(目安:6’00)
つなぎジョグ60分 Free(目安:6’00)
つなぎジョグ60分 Free(目安:6’00)
マラソンペース走orマラソンタイム走 上記で確認

 

 

1ヶ月ほど取り組んでいただき、

体をこのトレーニングにストレスなく、適応させます。

身体がこのトレーニングに慣れてきたら、いよいよ次の【マラソン調整期】に移りましょう。

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